2025年、あけましておめでとうございます。去年はあまりアクティブに写真を撮らずに過ごしてしまい、ついに記事の更新無しで一年を過ごしてしまいましたが、今年はもう少し写真を撮って生きていこうと思います。
さて、去年の終わり頃からまた、カメラ機材を入れ替えたい衝動に駆られては止める、といういつものパターンを繰り返していたのですが、手元にあるα7RIIIが、2025年になった今でも使用に耐えうる良いスペックを持っているのではないかと再認識したりしていました。実際、外に持ち出してみると、多少のレスポンスの悪さや、オートフォーカスの信頼性の低さなどは気になるものの、出てくる画は、最高画質。動画もAPS-Cクロップだとオーバーサンプリングからの4Kを撮ることができ、当時としては非常に革新的な性能だったことを思い出させてくれます。
ただ、このα7RIIIなどの少し前のαシリーズのカメラ、他社のカメラや最新モデルと比べたとき、個人的に少しだけ気になるのが、ソニーの色合い、いわゆるカラーサイエンス。私だけではなく、αシリーズの場合、JPEG撮って出しだと、色の出方や雰囲気が好みに合わないという人が多くいるようです。特にこの世代のカメラでは、FL、NTなどのα7SIII以降の機種に搭載されて人気のある「クリエイティブルック」が利用できず、そのまま使うと、いわゆるソニーっぽい、正確に色や明暗が記録された、味気ないJPEGが出てきてしまいます。一応、「クリエイティブスタイル」という、クリエイティブルックの前身となった機能はあるのですが、どれを使ってもいまいちエモい雰囲気は出てこないのが残念なところです。一応、彩度やコントラストは調整できるので、これをいじることで、それっぽい雰囲気にはなります。
ちなみに以下、写真はすべて、ウォーターマークの付与と個人情報のマスクの加工以外は、JPEG撮って出しのままです。
クリエイティブスタイルでやってみる
まずは、クリエイティブスタイルの設定を使って、少し富士フィルムっぽくしてみました。
スタイル:ニュートラル
コントラスト:+3
彩度:-3
シャープネス:±0
まあ、これはこれで良い感じの雰囲気になっていると思うのですが、もう少しフィルムルックにしたい…!それにはクリエイティブスタイルの設定変更だけでは調整の幅が狭くて限界がある…ということで、目を付けたのが、「ピクチャープロファイル」という機能。あまり詳しくないのですが、ソニーの説明によると、動画用に用意された機能で、諧調や発色を調整・変更することができる、とあります。
ピクチャープロファイルで色合いを調整してみる
ピクチャープロファイルを使うと、ガンマカーブや色合いをいくつかのプリセットを基に設定したり、細かなパラメータを調整することができ、いわゆるコントラストや彩度、色相などをかなり自由度高く設定できます。いくつか設定を変えて、フィルムっぽくできないか試してみました。
「フィルムっぽさ」とは何なのか、については、既に他の方が解説している記事などがありますので、そちらを参考にしていただければと思いますが、ここでは、富士フィルムのフィルムシミュレーションであるEternaや、ソニーのクリエイティブルックのFLの色合いを参考にして、いくつかのポイントを意識して設定しました。
- 広いダイナミックレンジ
- シャドウ部分の諧調を残す
- 彩度は低め
- 青はシアン寄りの色合い
一つ目
ブラックレベル:+10
ガンマ:Still
ブラックガンマ:範囲 中、レベル +5
ニー:オート
カラーモード:Still
彩度:-15
色相:-4
色の深さ:R +4、B -7、他全て0
ディテール:レベル -7
基本的には、スチルの設定を基に意識したポイントを設定していったものです。彩度はかなり低く設定している一方、コントラストは割と残っています。
ニーの設定は、この後色々といじっている中で、マニュアル設定にして、ポイント 85%、スロープ +3あたりにしても良いかなと思いました。この辺りはお好みでどうぞ。
二つ目
ブラックレベル:0
ガンマ:Cine2
ブラックガンマ:範囲 中、レベル 0
ニー:オート
カラーモード:Cinema
彩度:-5
色相:-2
色の深さ:R +3、B -7、他全て0
ディテール:レベル -7
Eternaを見ているともう少しフラットな雰囲気だったので、フラットに撮れそうな(かつ、フラット過ぎない)Cine2とCinemaカラーモードをベースに、色合いを調整したものです。かなりソニーっぽさは無くなっていると思いますが、カラーグレーディング前提な色合いになってしまっているとも言える気がします。
まとめ
というわけで、ピクチャープロファイルを使うことで、撮って出しJPEGの色合いをかなり自分好みに変更できそうです。こうしてまとめて見ると、ピクチャープロファイルだけでなく、レンズもかなり雰囲気に影響しているので、レンズの色合いと併せて設定を見直してみると面白いかもしれませんね。