こんにちは。このブログを放置して1年以上が経ち、ドメインも失効しそうになっていました。nano (@nano2pic)です。
さて、この長い間にカメラを買い増したりしていたわけなのですが、この度、ついに長年使っていたスマートフォンを買い替え、最新のGalaxy S23 Ultraを買うことができました。決め手はなんといっても2億画素(!)を誇るカメラ。2023年はまだ半分残しており、iPhoneの新型やGoogle Pixelの新型などが発売されることから、また、一部狂ったスペックのAndroid端末が中国メーカーからリリースされていることから、他と比較せずGalaxy S23 Ultraを一言で最強と呼んでしまうのは少し躊躇われますが、最強クラスであることは間違いないでしょう。というわけで今回はその最強クラスのスマートフォンがどこまでミラーレス一眼に近づいているのか、フルサイズカメラの画像と単純に比較してみました。
カメラスペック
そもそもどんなカメラなのか、競合と比べて確かに優れているのか、まずはスペックで比較をしてみましょう。いずれもメインとなる広角カメラでの比較です。
Galaxy S23 Ultra | iPhone 14 Pro Max | Pixel 7 Pro | vivo X90 Pro+ | α7R III (参考) | |
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センサーメーカー/型式 | Samsung ISOCELL HP2 | SONY IMX803 | Samsung ISOCELL GN1 | SONY IMX989 | SONY ?? (情報無し) |
センサーサイズ | 1/1.3 | 1/1.3 | 1/1.31 | 1/0.98 | フルサイズ (約2.7型) |
画素数 | 200MP | 48MP | 50MP | 50.3MP | 42.4MP |
画素ピッチ | 0.6μm | 1.22μm | 1.2μm | 1.6μm | 4.52μm |
カラーフィルター | RGGB | RGGB | RGGB | RGGB | RGGB |
DXOMark Score | 140 | 146 | 147 | 140 | – |
笑ってしまうぐらい高画素、狭い画素ピッチです。センサーサイズはここ最近のハイエンドモデルとしては標準的になりつつある1/1.3程度。現状最強のセンサーを積んでいるvivo X90 Pro+と比べると少し小さなセンサーサイズとなりますが、一昔前のいわゆる「高級コンデジ」のセンサーは大体1型〜1/1.7型程度だったように思うので、当時の高級コンデジ並の大きさのセンサーが今のスマートフォンには載っているということです。そりゃボディサイズも大きくなるわけです。ちなみに下位モデルのS23やS23+には、1/1.57型のISOCELL GN3が搭載されており、画質は若干劣りますが、レンズを含めたサイズダウンに寄与しているものかと思います。いやマジでこっちで十分だったよね。
Galaxy S23 UltraのDXOMarkでの評価は、最大最強のセンサーを積んでいるはずのvivo X90 Pro+のスコアと同等で、iPhoneやPixelの後塵を拝しています。正直なところ、この時点で既に、スマートフォンにおけるカメラの画質というものが、いかに画像処理に頼っているのか垣間見えます。とはいえ、140は非常に高いスコアです。一眼カメラとの比較に耐えうるスコアになってきているように思います。
特にこの、200MPという超高画素は、フルサイズ機には無い画素数なので、ディテールがどこまで記録できるのか、気になるところです。
ディテールを比較
机上の比較が済んだところで、早速実際に写真を撮って比較してみましょう。
比較機材:α7R III + SEL24105G(24-105mm F4通し)
三脚も使わず撮っていたのと、Galaxy S23 Ultraのメインカメラは最大サイズがアスペクト比4:3で、αとは画角が微妙に合わなかったため、厳密に言えば条件は異なりますが、参考程度にはなるかと思います。
1枚目
まずは一枚目。クリックでオリジナルのJPEGファイルが開きます(いずれもファイルサイズが大きいためご注意ください)。
後ろに見える街を拡大してみます。
並べて比較してみましょう。
α7R IIIのほうは、同程度の画像サイズになるよう、大体2倍にアップサンプリングしています。(PhotoshopのPreserve Detail 2.0での拡大)
Galaxy S23 Ultraのほうが拡大していない分、画もはっきりとしていて、一見するとより解像しているようにも見えます。ただし、細かく見るとそうでもなく、シャープネスをかけたような…、いや、今流行りのAIによるディテールの強化処理をしたような見た目です。後ろの高圧線と思われる鉄塔の電線の残り具合や、家の窓や屋根のディテールの自然さという意味では、やはりα7R IIIのほうが正確に解像しているようです。
とはいえ、パッと見ではもはや甲乙つけがたいレベルの差です。個人的な感想ですが、全体的な画作りという意味では、JPEG撮って出しの見栄えは正直、圧倒的にGalaxy S23 Ultraのほうが良いです。ファイルを移して、現像して、、、という重たいワークフローは必要なく、直ぐに撮ったファイルが十分に綺麗で、必要に応じてスマートフォン上で簡単なフィルターを当てる、という現代的な使い方ができるのは強いですね。
2枚目
もう少し違う風景でも比べてみましょう。
もう全体的な雰囲気においては、出オチでα7R IIIの敗北が確定している比較ですが、ディテールの比較のために、拡大した画像も見ていきましょう。
全体的な雰囲気は圧倒的にGalaxy S23 Ultraのほうが良い感じでしたが、ディテールに関して言えば、α7R IIIのほうが不自然さがなく、かなり残っているように思います。ハイライト部分は特に、センサーサイズの差によるダイナミックレンジの差なのか、α7R IIIのほうが綺麗にディテールが残っています。それでも、1/1.3型センサーでここまで戦えるのは、現代のスマートフォン恐るべしですね。。
結論
200MPあるものの、ディテールでの比較では、流石にフルサイズ高画素機にはまだ及ばない。(まあ、そりゃそうですよね…)
ただし、撮って出しの全体的な雰囲気は素晴らしく、何も考えなくてもカメラが全てを綺麗に仕上げてくれるので、重いカメラを持ち歩きたくない、自分で現像したくないという方にとっては非常に強力なカメラであることは間違いないでしょう。大型センサーのレンズ交換式カメラは、今後ますます趣味性が増していくのでしょうね。