最近になって、もう何年も前からずっと気になっていた機種、ソニーのα7Sを買いました。
マップカメラさんの中古「良品」グレードで、118,000円。
そして、このカメラと併せて、もう一つの気になっていたアイテムであるVoigtlander NOKTON classic 35mm F1.4 MCを購入しました。
その組み合わせがこちら。
ボディケースも併せて、最近のカメラには珍しくなってきたクラシックな雰囲気を醸し出してます。
このモデルを購入した理由
発売開始は2014年の6月20日なので、もう7年も前のモデルです。なぜ今になって?と思う方もいらっしゃるでしょう。一方で、α7Sなら納得、と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このカメラを購入した一番の理由は、一言で言えば低画素機を使ってみたかったから。
α7Rシリーズなど、高解像度を前面に押し出した高画素センサー採用モデルが人気で、フルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズすべて見渡しても、2000万画素以上がほとんどのモデルで採用されています。
そんな中、最新モデルのα7SIIIを含め、このソニーのα7Sシリーズでは、1200万画素という、一昔前のような低解像度をあえて売りにしています。
理由は、一画素あたりの面積が大きく、高感度でも少ないノイズにできるから。
高感度・階調・色の違い
一般的には、低画素センサーは高感度に強く、階調が良いとされています。とは言え、もともとフルサイズセンサーのモデルは性能がよく、最近の優れた画像処理では、この差を体感するのは難しいのですが、カメラの性能を科学的に計測しているDXOMARKでは、その性能が比較できます。
まずは、初代モデルでの比較です。黄色い線がα7Sです。
同世代のR、無印と比べるとその差は明らか。高感度では、ダイナミックレンジが広く保たれているだけでなく、階調や色再現も強みになるようです。
より新しい、第3世代モデルとの比較ではどうでしょうか。
第3世代になると、常用するISO3200ぐらいまでは、高画素モデルでもα7Sを上回る水準のダイナミックレンジを叩き出します。このあたりの高いダイナミックレンジは、裏面照射型CMOSセンサーの恩恵もあるのでしょうか。
ただ、その後ISO6400以降は落ち込みが緩やかなα7Sと比べると、中・高画素機は急激に劣化していくので、超高感度域を積極的に使っていきたい人にとっては、やはりまだ低画素機のアドバンテージはありそうです。
階調と色感度は、8MPへのリサイズ処理あり(Print)では差が見えないグラフとなっていますが、リサイズ処理なし(Screen)では、低感度から一貫して1〜2段の差があり、新しいモデルでも思ったほど縮まっていない印象です。このあたりが、階調が美しいと言われる所以なのでしょうか。
流石に厳しいと思った第3世代との比較ですが、思ったよりも健闘しており、データで見ても低画素機の良さが分かる結果でした。
試し撮り
重要なのはデータよりも、実際に得られる写真。というわけで、久しぶりに綺麗に晴れた新宿で試し撮りしてみました。
Lightroomで現像しましたが、素性の良さにびっくり。撮って出しでもバランスよくまとまっていたように思います。
明暗差のあるシチュエーションでも、明るい部分・暗い部分、どちらも綺麗に記録されています。Lightroomで少し戻してやれば、この通り。
明るい場所では、緑も綺麗に写ります。
緑が綺麗、といえば、富士フィルムのカメラだと思っていましたが、富士フィルムとはまた違う綺麗さ。
写真というのは、光を記録するものだ、と再認識させられる、影のあるシチュエーションでの写りの良さ。
白いテーブルの上に、どこかの子供が残した、どんぐりを接写で一枚。
真っ白なテーブルなのに、白飛びさせずに綺麗に収められました。
暗い場所での撮影は、このレンズ・カメラの最も得意とするところ。
ISO5000で撮っても、低ノイズ、鮮やか、スムーズな階調。
古いモデルながら、出てくる絵は本物。最新モデルと比べても見劣りしません。
4K内部記録ができない、手ブレ補正が無い、オートフォーカスがコントラストAFのみなど、機能面では不足も目立ちますが、最高の絵が小さなボディにまとまっている。それだけで良いんじゃないかと思わせてくれるボディです。
まだまだ続くコロナウィルス対策で、自由な移動が縛られた生活が続きますが、しばらくこれで色々な撮影が楽しめそうです。