こんにちは。掲題の通り、今日はレンズレビューです。
タムロンのSP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)というレンズを去年購入して使っていたんですが、ふと価格.comを見たら価格の登録が無くなっている事に気が付きました。
国内だとyodobashi.comで「販売終了商品」、海外ではB&Hのページで「No Longer Available」という記載があり、どうやらいつの間にか販売終了となってしまっていたようです。
普段小さなレンズしか使わない私には若干大きいものの、写りは最高でレンズの質感も好きだったお気に入りレンズの一つなので、後継なしでディスコンというのはショックです…
とは言え、まだ中古では良い状態のものが数多く出回っているようなので、写りが気になる方は、沼コレクションの一つに加えてみてはいかがでしょうか。
レンズの特徴
通称「タムキュー」
このレンズのシリーズは昔からあり、コストパフォーマンスの高いマクロレンズとして名高いレンズです。
いや、本当に。 コストパフォーマンスが良すぎる。販売終了もそれが原因なんじゃないかと思うぐらいに。
- 質感の良い塗装がされた金属鏡筒
- フォーカスリングで常にピント調整ができるフルタイムマニュアルフォーカス機構
- 低分散レンズ(LD・XLD)を合計3枚も使った豪華なレンズ構成
- マクロ撮影で課題になるシフトブレにも対応した手ブレ補正
- Made in Japan
この豪華な製品が新品7万円前後で売られていたので、そりゃあ儲からないですし、ビジネス的には優先度下がっちゃいますよね…。時代はミラーレスなので、ボケ感や写りはそのままに、ミラーレス用モデルの適正価格での登場を期待したいと思います。
もちろん、最大撮影倍率1倍、つまり、被写体をセンサーの上で、1:1の大きさで撮影できるレンズ。めちゃくちゃ寄れます。
そのシリーズの中でもModel F017は、2016年にリニューアルされたモデルで、ニコンFマウント、キャノンEFマウント用、ソニーAマウント用がリリースされました。
このF017が、一眼レフ用モデルの最終型になるのではないかと思われます。
一眼レフ用レンズの最大のメリットは、マウントアダプターを付け替えることで、異なるマウントのミラーレスカメラで使いまわしできること。息を吐くようにカメラボディを買い替えてしまう機材沼にハマっている方でも安心です。
キャノンからは純正のEF→RFマウントアダンプターが出ていますし、ソニーEマウント用のアダプターは、各社様々なものが開発・販売されています。
私の場合は、α7RIIIに、シグマから販売されているマウントアダプターMC-11を介して使っており、一応はオートフォーカスも含めて使用できています。 ただ、動作にはかなり難があり、AF-Sはうまく合焦しませんし、AF-SでもAF-Cでも、大きくピントを外すと戻ってこなくなります。
とはいえ、AF-Cの像面位相差でうまく距離が検出できているときには正しく動くので、ポートレート撮影や遠景の撮影には問題がなく、フルタイムマニュアルフォーカス機構のおかげで、オートフォーカスの動作が止まっても、手動で直せば良いだけので、実際のところ、実用上は不便を感じていません。そもそも本当の近接撮影は基本的にマニュアルフォーカスなので、そこも特に問題はありません。
購入した理由
もともとマクロレンズを持っていなかったので、いわゆる物撮り用に1本ほしいと思っていました。
もちろん私が常用しているEマウント、Xマウントともに各社からメーカー純正品が出ているのですが、これらを買っても良かったのですが、どうせたまにしか使わないものなら、異なるマウントのボディで共用できたりしないのか…?ということで、共用できそうなものから選ぶことにしました。
本当は、販売終了・後継機種登場後も根強い人気を誇る、カールツァイスのMakro Planar T* 2/100 ZF.2が欲しかったのですが、中古品の流通量が少なく、更に、状態の良いものは非常にレアなので、良いものが入手できず、一度購入したものは、振ると中で部品が踊っているような、カラカラと音がする不良品でした…。最終的にこちらは断念することに。
そこで目をつけたのが、以前から気になっていた「タムキュー」。最近はミラーレスが主流で、あまり聞くことがなくなってきていましたが、やはりマクロと言えば一度は使ってみたいと思っていたのを思い出しました。
調べてみると、F017が最新型で、新品7万円程度。ボケが更にキレイになり、前述の通り豪華なレンズ構成、優秀な手ブレ補正などなど。α7RIIIで動くのかどうかが不安でしたが、最悪マニュアルフォーカスで撮影すれば良いや、ということで即決。
写り(作例)
ボケがとにかく綺麗でなめらか。レンズによっては二重ボケやグルグルボケが気になるようなシチュエーションでもこの通り。開放で撮るとふわふわとした世界観が記録できます。
90mmという焦点距離でフルサイズの画角ということで、少し離れた物も開放では被写界深度が浅く、立体感が出ます。
いわゆるシャープなレンズとは異なる性格を持ったレンズなのですが、絞ればもちろん引き締まった画に。
F11まで絞った状態では、実際には気になる周辺減光は全く出ないのですが、あえて付加することで、表現を変えてみました。素性の良いRAW画像が撮れるので、編集はしやすいです。